こんにちは、moruです。
先日、3月19日の日銀の金融政策決定会合で、
マイナス金利が解除されました。
2013年、アベノミクス開始から長く続いた、
世界初の大規模な金融緩和政策にいったんの終止符が打たれた形になります。
もともと金融緩和政策というのは、
世の中が不況の時(=デフレの時)に行われる政策です。
この金融緩和によって、
日経平均株価は2013年以降怒涛の上昇を見せました。
さて、今回は改めて『金融緩和』とは何ぞや?
についてお話して行きますね。
- 金融緩和が他人に説明できるようになる
- 日銀がこれまで行ってきた3つの緩和策を理解できる
- 今回の緩和で株価や為替にどんな影響が出るかを理解できる
これを機に大まかにでもいいので頭に入れておき、
今後の投資LIFEに活かして行きましょう。
日銀の行った金融緩和政策とは?
ざっくり言えば、
「世の中に出回る円の量を増やして景気を良くして行こうぜ!」
という政策のことで、
各国の中央銀行が実施する権利を持っています。
日本の場合だと、日本銀行(=日銀)ですね。
日本では、2013年~アベノミクス以来、
大規模な金融緩和が行われてきています。
その内容は以下の3つです。
- 量的金融緩和
- マイナス金利政策
- YCC(イールドカーブコントロール)
先日の日銀会合にて、②と③が撤廃されました。
①は引き続き継続するとのことです。
一つずつ簡単に解説しておきますね。
①量的・質的金融緩和(2013年~)
日銀は新しくお金を刷れる権利を国内で唯一持っています。
量的・質的金融緩和とはそのまんまで、
新しくお金を刷って世の中にばら撒こう!という政策です。
実際には、各銀行が持っている国債を
日銀がたくさん買い取ることで、
銀行に現金が行くように仕向けます。
銀行は日銀に国債を売る代わりに現金が入ります。
これによって銀行には現金が入るので、
そのお金を企業に貸して、世の中に円をバラまく
というのが日銀の思惑でした。
ただ、当時の銀行はそれでも
企業にお金を貸すことに消極的だったようです。
物価もなかなか上がらずだったので、
2016年~2つ目、
②マイナス金利を導入(2016年~)
僕らは銀行に預金していますが、
銀行は日銀に預金しています。
(日銀:銀行の銀行とも呼ばれる)
預金してたらふつう利息もらえるじゃないですか?
マイナス金利はなんとその逆で、
各銀行が日銀に預金している分の利息が
マイナス0.1%に設定されたんですよ。
つまり、銀行は日銀に預金してると
利息が自動的に差し引かれるというわけです。
そうなると銀行は
日銀に預金してると資金が減るので、
預金を下ろしたくなりますよね。
日銀からすれば、
「銀行よ!預金してないでもっと企業に貸せ!」
ということを狙ったということになります。
・①量的質的金融緩和
・②マイナス金利導入
↓
・各銀行は預金を下ろして企業にお金を貸す
↓
・企業は資金調達できて事業が発展し儲かる
↓
・社員の給料が上がる
↓
・消費活動が盛んになる
↓
・インフレ(景気が良くなっていく)
という流れ、意図があったわけです。
しかし、それでも当時の日本は
まだまだデフレを脱却できませんでした。
そこで、2016年末~3つ目、
③YCC導入(2016年末~)
朝日新聞デジタルより引用
https://www.asahi.com/articles/ASR7X6V3ZR7XULFA01F.html
通常、日銀は短期の金利を操縦して、
長期の金利は操作しないのですが、
なんと長期金利の操作にも乗り出しました。
当時、10年国債利回りが0.5%を超えないように
日銀が強制的に国債を買って抑え込むというものです。
これによって、金利が低いままキープできるので、
企業や個人がお金を借りやすくしたわけです。
2024年3月19日、②マイナス金利と③YCCを撤廃
そんなこんなで直近の話に戻りますが、
最近はデフレを脱却してインフレになってきていて
企業の賃上げもある程度進んでいるので、
昨年末頃から、
そろそろマイナス金利解除してもええんちゃう?
という流れが来ていて、②と③の撤廃が決まりました。
①の量的・質的金融緩和は今後も続けるとのことで
金融緩和のスタンス自体は継続とのこと。
今後の株と為替の動きの見通しは?
今回のマイナス金利解除とYCC撤廃で
株や為替はどう動くか?について
僕の考えを踏まえながら触れて行きます。
まず、マイナス金利を解除するということは
つまり事実上「0.1%金利を上げた」ということです。
また、YCCを撤廃するということは、
今後、円の金利上昇を容認して行くという
利上げ方向の政策になります。
つまり、理論的に考えれば、
円の金利が前より上がるわけなので、
為替は円高に振れるでしょうし、
株は上がりにくくなります。
ただ、僕は現時点では逆と考えています。
むしろここから更に円安に進んで
株価も米国株の動き次第ですが、
現状、上目線でOKかと思っています。
(横這いの路線もあると思っていますが)
なぜなら、この記事を書いている現時点での
米国は絶賛インフレ中で利下げできません。
先日のFOMCの決定を見ていても、
少なくとも6月までは利下げはなし。
つまり、日本がマイナス金利を解除したとしても
たかだか0.1%の利上げであり、
現状では、
と、圧巻の金利差があるわけですよ。
ましてや、マイナス金利解除の噂段階で
若干為替は円高に先行して振れていましたから、
ここからはそりゃ円安に進みますよね。
今後、米国と日本の金利差が縮むなら
円高方向に進みやすいですが、
現状、日本はこれ以上の利上げはできないので
直近ではなかなか難しそうですよね。
株をやっている人にとっては、
利益を出しやすい相場の動きにはなりそうです。
ただ、あくまでもマーケットは
予想するものではなく、実際にはどう動くかは
その時になってみないと分かりません。
でもマーケットの呼吸?っていうんですかね。
それを感じながら日々過ごすのは大事ですから。
投資は常に臨機応変かつ合気道です。
※補足:日銀の役割
日銀は日本の中央銀行です。
(アメリカだとFRB)
- 政府にお金を貸す(政府の銀行)
- 各銀行にお金を貸す(銀行の銀行)
- お金を新たにつくって発行する
- 金利を調整する(金融政策の決定)
以上です。ひとつのご参考までに。
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